電力自由化はなぜ安くなるのか徹底解説【2023年最新】

※ページに広告が含まれる場合があります。

電力自由化により『電気は選べる時代』になりました。それによって電気料金が安くなると聞きますが、実際のところどうなのでしょうか。
電気の販売を行う事業者は、現在なんと700社以上もあり、料金プランもさまざまです。(令和3年2月19日時点)

「電力自由化すると、なんで安くなるの?」 「今までの電力会社と、何が違うの?」と思われる方もいらっしゃいますよね。 ここではその疑問にお答えします。

✔この記事の内容

  • 電力自由化で安くなる理由
  • 今までの大手電力会社と小売電気事業者は何が違うのか
  • 電力会社を変えるときの注意点

電力自由化は、電気料金を安くするチャンスであることは間違いありません。
それでは見ていきましょう。

電力自由化はなぜ安くなるのか

さまざまな「でんき」が売られる中、なぜ電気料金が安くなるのでしょうか。 安くなる理由を、3つのポイントにまとめました。

「競争」が生まれるため

電力の小売が全面自由化になるまでは、各地域の大手電力会社のみで、小売市場は独占状態でした。その「市場」が開放されることで小売電気事業者が参入し、「競争」が生まれました。

小売電気事業者にとっては新規参入となるので、まず顧客を獲得しなければなりません。 その際大手の電力会社や他の新規参入事業者と競うことになるので、参入するにあたり各社さまざまな料金プランを考案します。 ライバルと差別化を図るためにも、そのプランは顧客にとってお得なものにしなければなりません。

つまり「競争」で生き残るため、料金をできるだけ安く設定します

小売電気事業者は設備投資の必要がない

電力事業は、発電、送電、販売の3つに分けることができます。
その中で小売事業者は販売のみを行っています。発電と送電は別の企業にまかせることで、新たに設備を作る必要が有りません。

発電については、大手以外の発電設備を持っている企業と契約します。
送電については、既存の電力会社の送電網を、使用料を払って使用します。

したがって新たに発電設備を作ったり、電線を引いたりする必要がないので、参入コストや運営コストが低いというです。そのため料金単価を安く設定できます。

小売電気事業者は、電力の他にもメインの事業がある

大手電力会社は、電力事業で成り立っています。それに対して小売電気事業者は、電力以外にも収益の柱となる事業を持ってることがほとんどです。

例えば、ソフトバンク。 電力の小売事業に参入していますが、そのソフトバンクのメイン事業は明らかに「通信」です。
このようにメインの事業があれば電力を安く売り、メインの事業につなげることができるため、電力で大きな利益を見込めなくてもよいので、安くすることができます。

なぜ電力自由化が始まったのか

独占市場による高コストが原因

前述の「安くなる理由①」でも解説したとおり、電力市場は地域ごとに1社独占状態でした。 競争がないので技術の改善スピードが遅く、効率化も進まないため、コストが高くなる傾向にありました。
コストが高いと利用者の料金負担を減らすことは難しいでしょう。

それらを改善するために、自由化へと電力改革が進んでいきました。

海外との格差

1980年代よりインフラ事業では、世界的な規制緩和の流れがありました。 その流れを受け海外では電気料金が下がり始め、そこで日本と海外の間に生まれたのが「格差」です。
その格差を埋めるために電力自由化という規制緩和が日本でも検討されました。

東日本大震災が「全面自由化」を加速

自由化は、大電力を必要とする大きな工場から段階的に、規制緩和されていきました。 その中で私達に関わる「全面自由化」は、東日本大震災の原発事故により加速した言われています。
原発事故により浮き彫りになったのは、「電力の1極集中」が災害やトラブルに弱いという点です。電力が分散していれば、そういったリスクを低くできます。

自由化することによって発電する事業者が参入し、そこと契約する小売事業者が現れ、結果、分散することに繋がる。そして災害などへの対策になり、利用者への影響を抑えることができます。

電力が分散されることで、世界経済の変動によるリスクに強くなる

また「分散」という観点は、石油価格の高騰によるコスト増にも強くなります。 投資の世界にも関連している石油などの「燃料価格」は、世界経済からの影響に敏感です。 そういった燃料だけに頼らず自然エネルギーを利用することで、経済変動からのリスクを分散できます。
自然エネルギーで発電を行う事業者があり、そこと契約する小売事業者が複数あることは、電気料金の高騰を抑える上で利用者の利益に繋がるでしょう。

これらの理由により、電力自由化が推進されていきました。

地域電力会社と小売電気事業者の違い

小売電気事業者は「倒産」の可能性がある

令和3年2月19日時点で小売事業者は700社以上あり、その中で倒産する事業者が出てくる可能性はもちろんあるでしょう。また電力事業から撤退することも考えられます。 ただその際、電力が止まることは無いので安心して下さい。「最終保証供給」という取り決めで、地域電力会社により電力は供給されます。ただ手続きが発生するので、その点ではデメリットと言えるでしょう。

小売電気事業者によって再生可能エネルギーを選ぶことができる

発電設備を有する電気事業者の中で、地球環境に優しい発電方法を採用しているところもあります。 その「再生可能エネルギー(再エネ)」を取り扱っている小売事業者を、私達は選ぶことができます。地球環境に配慮したい方にとって、クリーンなエネルギーを選べるのは嬉しいポイントですね。
ただ地域によっては、大手電力会社でも再エネを扱っているところがあります。四国電力、中国電力、東京電力などです。
それに対して沖縄電力や関西電力などは扱っていません。 (※今後、取り扱う可能性はあります)

再エネに関しては今のところ、通常の単価より割高です。料金を安くしたい場合は、選択肢から外れてしまうため注意しましょう。

堅実にいくなら大手、豊富な選択肢の小売

大手電力会社では、使用量別や時間帯別、オール電化向け、ガスとのセット割など、これらを絡めたプランが用意されています。ご自身の使用環境に合わせて選ぶことで、堅実に安くできます。

対して小売電気事業者は、各社のメイン事業と絡めたプランが豊富です。例えば通信会社のKDDIが提供する「auでんき」では、電気料金に応じて「Pontaポイント」が貯まります。
また「ENEOSでんき」ではENEOSカードでお支払いすると割引が掛かったり、「Tポイント」が溜まります。

小売電気事業者では電力会社毎にさまざまな料金プランの中から選択でき、安くするだけでなく特典も豊富な点が大手との違いです。

電力自由化で電力会社を変える際の注意点

電力会社を変える際の、抑えておきたい注意点をまとめました。

変更先の料金プランが自分の環境に合っていない

各種プランにはそれぞれ特徴があり、変更することで安くなる場合と高くなる場合があります。 料金を安くしたい際、以下のように電気の使用状況を把握しなければなりません。

■電気を多く使用する時間帯
※夜に使うと安いプランでは、昼の料金単価が高いので注意。

■月当たりの電力量
※多い方にお得なプランは、少ない方とって割高です。

■自宅の環境(エコキュート設置など)
※エコキュートを使用する時間帯の設定に注意。

などの観点で注意が必要です。
ご自身にあったプランを見つけるためにも、比較サイトや変更先の公式サイトで料金シミュレーションすることをオススメします。


違約金や解約金が発生する場合もある

契約期間が設定されている場合は、解約金が発生することもあります。 ただし全体から見れば解約金を設定している業者は少数で、金額もそこまで高くありません。
例として先ほど紹介したENEOSでんきの「にねんとく2 割」プランでは、契約期間の適用中に解約すると1,100円(税込)の手数料が発生します。したがって変更先の公式サイトを確認するか、メールや電話でお問い合わせをしましょう。

引っ越しなど、生活環境の変化に注意

生活環境が変わる場合、電力会社や料金プランを変更する必要が出てくるでしょう。
住む地域を変えれば、電力会社を変えなければならない場合もありますし、仕事を変えれば勤務時間が変わることもあります。
このような環境の変化が見込まれる場合、契約期間や解約金が発生するのか、解約や変更の条件など、確認をしなければなりません。

もしくは電力会社の変更を見送ったほうが良いのか、検討する必要があります。

細かい注意点の確認

変更先の以下の点について、確認しておくと良いでしょう。

  • 支払い方法の種類
  • 特典やキャンペーンの期間
  • 停電などトラブル時のお問い合わせ先
  • クーリングオフについて
  • 工事が必要かどうか
  • 契約の開始日(電気の供給開始日)
  • 解約方法(手数料も)

メールや電話等で問い合わせると確実です。
悪質な業者が紛れているかもしれないので、怪しいと感じたら資源エネルギー庁(経済産業省)の「登録小売電気事業者一覧」に登録されている事業者か確認してみましょう。
経済産業省 登録小売電気事業者一覧

まとめ:電力自由化は様々な理由で安くなる

電力自由化によって、電気料金がなぜ安くなるのかポイントを再確認してみましょう。

  1. 「競争」という市場原理が働くため
  2. 競うことで技術が発達し、「コストカット」に繋がる
  3. 海外との「格差」を埋めるため

電力自由化によって選択肢が増えた中、なぜ安くなるのかを知っておけば選ぶ時の迷いが無くなります。
注意点を抑えて、よりよい料金プランに出会えることを心から祈っております。

関連記事

  1. 電力自由化安くならないのは何故

    電力自由化安くならないのはなぜ?理由と改善策【2023年最新】

  2. 電卓と電気

    J:COMの電気代は高い?解決策も解説【2023年最新】

  3. 東京電力高い

    東京電力の電気代は高い?節約方法も解説【2023年最新】

  4. 電気とお金

    四国電力の電気代は高い?節約方法も解説【2023年最新】

  5. 沖縄電力

    沖縄電力の電気代は高い?節約方法も解説【2023年最新】

  6. 電気節約

    【2023年最新】関西電力の電気代は高い?安くする方法を解説

  7. オール電化にリフォーム

    オール電化にリフォームする前に知っておきたいこと【2023年最新】

  8. 冬

    冬の電気代が高い原因は?安くする方法も解説【2023年最新】

人気記事

  1. ドコモ光のみ残す
  2. ipnone
  3. iphone_or_android
  4. テレビとリモコン
  5. どっちを選ぶ?
  6. wifiルーター
  7. パラボラアンテナ
  8. FODプレミアム
  9. セキュリティ
  10. テレビとリモコン
PAGE TOP